第83回アカデミー賞で8部門にノミネート。撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞した。現在世界一の映画監督といっても過言でないクリストファー・ノーランが監督した夢世界が舞台の物語。 難解なストーリーをエンターテイメントとして見せることができる数少ない名監督です。渡辺謙さんの演技もよかった。
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あらすじ
主人公の「コブ(レオナルド・ディカプリオ)」は他人の夢の中に入ってアイディアを盗む産業スパイ。相棒の「アーサー」と共に日本人実業家「サイトー(渡辺謙)」の夢からアイディアを盗み出すことを試みるが失敗に終わる。逃亡を図るコブとアーサーの前にサイトーが現れる。サイトーはライバル会社の跡取り息子に「会社を潰す」というアイディアを植え付けるインセプションを依頼。コブは過去の罪をもみ消すことを条件にこれを了承する。
↓ココからはネタバレを含むので映画を観てから読んでね。
解説・ネタバレあり
この映画、情報量が多くて複雑なので少し整理しましょう。
「インセプション」ってどういう意味?
潜在意識にアイディアを植え付けることです。夢に深く入り込むことで潜在意識の奥に近づくことができアイディアを植え付けることができます。
キックとは
強い衝撃を与えて目を覚まさせることを、この映画では「キック」と呼んでいます。
トーテムってなに?
トーテムとは夢か現実かを見極めるアイテムのことです。人によってこのトーテムは違います。主人公のコブは小さなコマをトーテムとして持っていました。夢の中でコマを回すと永遠に回り続けます。コマが回り続けるのは現実ではありえない。これは夢だと気付けるのです。
夢世界の役職
設計士
大学生の「アリアドネ」が担当。夢の世界を設計する者のことです。設計士の腕が悪いとターゲットにこれが夢だと気付かれてしまいます。
偽装師
コブの幼馴染「イームス」が担当。他人になりすます夢世界での変装を得意としています。
調合師
イームスの紹介で「ユスフ」が担当。夢の世界を安定させる鎮静剤を作ることができます。
階層のルール
夢には階層があります。夢の中で夢を見ると第1、第2、第3と深く階層を潜ることができます。夢世界では階層を潜るごとに時間が20倍に伸びます。現実時間の10時間が第1は1週間、第2は6ヶ月、第3は10年と、時間の流れが遅くなるのです。
虚無とは
虚無とは潜在意識だけの他に何もない世界であり、夢の最下層です。虚無にいると全てを忘れ、ここが現実であると思い込んでしまいます。
小ネタ・ネタバレあり
シャンソンの名曲「水に流して」
夢から覚めるためのきっかけとして流した「水に流して」。実はインセプションのメインテーマ曲は夢世界の設定と同じように、この曲を20分の1の速さにした物を元に作られたそうです。
CGを使わないノーラン監督
ノーラン監督といえば極力CGを使わないことで有名です。相棒のアーサーが戦った物語終盤の廊下のシーン。あれはセットをクルクルと実際に回し撮られました。因みにこのシーンのイメージボードが面白いと評価されて映画製作が許可されたそうです。
同じ夢を題材にしたおススメ映画「パプリカ」
夢映画と言えばコチラの映画も見てほしい。亡き今敏監督が作った「パプリカ」です。SF御三家の筒井康隆先生原作のアニメーションになります。現在見放題ではなく、レンタルでの視聴になりますが、おススメなので良ければコチラも是非。
感想・ネタバレあり
ノーラン監督のすごいところは、基本ではなくいきなり応用で始まるところですよね。映画冒頭から夢の中の夢で物語が始まります。ドラマでいうと3話目から始まるようなものです。それゆえに濃密な映画体験を味わえます。夢と夢が影響しあうのも緊迫感があってよかったです。相棒のアーサーが廊下で戦うシーン。あれだけでも見る価値があります。相棒がかっこいい映画って大体面白いんですよね。最後の終わり方もシビレました。トーテムのコマが回り続け、夢か、現実か、どっちだ…ハラハラという終わり方。最後にエンドロールが流れた時は興奮で叫びそうになりました。実際、声が出ていたかもしれません。いや…あれは夢か…。はて…。
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